先日、某地域の【某伝統工芸品の再生術】というテーマで某再生請負人の方がテレビ出演されているのを視聴させてもらった。
現在、ほとんどの伝統工芸品は年々市場規模を落としており、打開策が求められている中、再生術のプロの方らしく様々な施策を打ち出しておられた。
熱意や行動力には関心させられたし、素晴らしい動きだと感じた。

ただし、再生術(戦術)に関して、私の意見は少し違った。

テレビでは、工芸品の再生に関し、その地域に公園などの関連テーマパークを作ったり、製造現場を見せたり、地域特産品の食レストランを作ったりなど…いかにしてその地域に人を集められるか?ということにテーマを絞った施策を行われていたが、、、いくら2次的な副産物に力を入れても、プロダクトそのものが変わらなければ、本当の意味での再生にならないのではないか?

プロダクトそのものに魅力が足りない(時代に合わなくなってきた)から苦戦している訳であって、、生産地に多少人が増えたとしても、今後市場規模が以前のように拡大するとは思えない。

現代において、お金を貯めてでも買いたくなるような魅力のある商品にしない限り、根本的な解決策にはならないのではないか?

その「工芸品」が無くなったとして、はたしてどのくらいの人が困ることになるのだろう?(生産者ではなくエンドユーザー)

そこまで困るひとが多くなければ、それは、そのプロダクト自体に魅力がない(足りない)からであり、市場規模が小さくなっていくのは経済原理として正しいのである。

富士フイルムのように、時代に合わせ、元々持っていた技術力(優位性)を生かして胃カメラなど医療用内視鏡分野にシフトしていったように、時代にアジャストした商品企画が大事のように思う。

「日本の伝統工芸品の技術力を守らなくてはいけない」と業界関係者が声高に唱えたとしても、そのプロダクトに魅力がなければ淘汰されてしまうのである。

テレビを視聴しながら、私はそんなことを感じた。