2022年度国内自給率が1.5%(数量ベース)まで落ち込んだ国内縫製キャパにおいて、円安やチャイナリスク・海外研修生離脱などの複合要因も加わり、ますます国内縫製キャパの熾烈な奪い合いが起こり、結果として縫製相場の上昇が起きている。もちろん、これは工場側が悪いわけではなく、経済理論からいっても需要に対して供給が足りてない現状において相場が上昇するのは当然の帰結である。

ただ…私は「固定費をいかにかけずに、大きな利益を目指せるか?」というミッションで会社経営を行ってきたので(結果として高い経常利益率も達成してきた)、自社工場を持つものの…設備投資・人員は極力最小限にし、アウトソーシング協力工場体制において生産背景を構築してきたが、コスト面・リードタイム面などにおいて協力工場体制のメリットが少なくなってきていると感じている。

今後、畑違いの帽子や手袋生産を協力工場に頼ることは仕方ないとしても、アパレルにおいては(特にコスト面において)自社工場(内製化)比率を増やしたほうがメリットが大きくなるだろう。

すくなくとも今後7~8年くらいは自社で生産キャパを増やすことはリスクよりもメリットが上回ると考えるため、今後、縫製スタッフをさらに増員していく考えだ。