アパレル業界において、高い利益率を、かつ長期的に獲得し続ける方法は、基本的に2通りがメインとなるだろう。

高い利益率を獲得するということは、言い換えれば価格競争に巻き込まれにくい製品ということである。

1つ目の方法は「ブランディング」
アパレル業界だけでなく、飲食業界や様々な業界においてもブランディングを行うことで、価格競争から離れられている企業は多く存在する。
有名なブランドを想像してもらえば、分かりやすいだろう。
ブランディングを遂行するには、メディアに頻繁に取り上げられたり、有名店で採用されたり、売上記録を達成したり、権威ある賞(ミシュランなど)に輝くなどを複合的かつ並行して行うことが必要になってくるが、確固たるブランディングを確立するためには短期間では難しい側面がある。
ただし、すでに自らが「ブランディングできている存在」で、なおかつ熱狂的ファンから多数支持を集める芸能人・有名人などが製品を作る場合は、最初からブランディング戦略が生きてくる場合もある。

2つ目の方法は「知的所有権による権利保護」
アパレル業界においては特許、実用新案、意匠、商標などが権利対象となってくるが、権利を保持することにより同業他社の参入を防ぐ方法である。
ただし、権利を独占してしまうと、その対象プロダクトがなかなか世の中で広まらないという市場法則(市場が1社独占を許さない)があり、特に中小企業が権利(特に特許)を保持した製品を市場に流通させていくのは高度な戦略が求められるのである。
分かりやすく言うと、熊本のゆるキャラ「くまもん」などは、あえて独占権利(商標権)を放棄することにより、世の中で広めていけた成功例である。

逆に言えば…「ブランディング」も「権利保持」もできてない場合、長期的に高い利益率を保持し続けることは容易ではなく、値段競争に巻き込まれやすいということでもある。