あえて名前は出さないが…先日、ある程度の規模感を持つ縫製2工場に問題が発生し、実質操業が難しい状態となっている。
当社取引先である生地メーカーは、そのうちの1工場に仕事を依頼していたため、大慌てで代替工場を探していたが…縫製工場業界にとって最も繁忙期シーズンである今の時期に簡単に見つかるわけもなく。。。
2022年度集計において、衣料国内自給率が1.5%(数量ベース)まで低下した国内縫製業界であるが、人件費・電気代含む諸々の原価が高騰する状況下においてはまだまだ淘汰が進むはずである。
以前と比較して、代替企業を容易に見つけることが困難になってきた状況下においては、【リスク分散】を考えることはより重要になってきており、このことはアパレルメーカー / 縫製工場両方にとっての喫緊の課題であろう。
例えば、縫製工場の場合、1~2社だけの取引先で売り上げの大半を構成していた場合、1社あたりの売上(依存度)が大きすぎて、リスクヘッジの観点からビジネスモデル的には脆いと思われる。
逆にメーカーサイドからしてもアイテム別に縫製工場のリスクヘッジを考えておかなければ、今回のケースのようにいきなり取引工場が稼働停止状態になった場合に、多大な機会損失が生じてしまう恐れがある。
ただし、言うは易く行うは難し…で、ある程度の安定した取引量が見込めなければ、お互いに取引相手を柔軟に操作(キープ)することが出来ず、その辺の舵取り(MD)が勝敗を分けることになる。