起業を志す人達は多いものの、実際に成功するのは一握りなのが現実だ。
全業種平均でいくと、起業後10年後に生き残っているのは約6%しかなく、20年後だと約0.3%(1000社に3社)、30年後だと約0.02%(10000社に2社)という狭き門だ。
なお、生き残っている企業だからと言って、必ず黒字なわけでもなく、現在日本企業の約7割が赤字であり、黒字企業は3割程度(最終利益率は2-3%程度)しかない。
私は起業してから約22年目なので、1000社中3社に入れたわけだが、私が考える成功しやすい起業について書いてみたい。
起業が成功しやすい条件については以下の3点が重要だと考える。
・初期コストがかからない or 低額
・利益率が高い
・継続(リピーター)性がある
結論から言うと…私の理論ではアパレル起業は成功しにくい業種となる。
もちろん、やり方や戦略次第では、アパレル起業の成功率を高めることは可能だが、上記3点の重要ポイントには合致してない場合がほとんどだと思う。
需要より供給が勝っているモノ余りのアパレル業界で上記3点をクリアーするには、唯一無二のオンリーワンの価値観を確立し…「その他大勢」から抜け出す必要があり、ブルーオーシャンを目指す必要がある。
一例として当社の成功事例を挙げると…
コロナ禍以降、「国民服」ともなったマスク市場の中で、空気が通る(呼吸ができる)透明マスクをいち早く市場に投入できた当社は、日経トレンディ2021ヒット予測ランキングにも選ばれ、まさに瞬間的にはブルーオーシャン(価格競争から逃れた)状態であった。
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00380/00021/
なお、大手企業が後発で参入してくるのも事前に情報を得ていたし、ブームで短期間勝負と事前に判断していたので、一番売れている時にすでに見切って(減産調整して)おり、生産ロスもほとんど発生していない。また、この商品を開発するにあたって設備投資は行わず、12,000円のミシンアタッチメントを数本買っただけである。
当社が発売した当時、空気が通る(呼吸が可能な)透明マスクは私が知る限り存在しなかった為、値段競争にも巻き込まれず、時代のニーズにドンピシャだったため、全国よりメディア取材も殺到し、タダで商品認知度を高めることができたのである。
もちろん、透明マスクに関しては(最初から)短期的勝負の戦略商品であり、長期的に商売を行っていくにはプラスアルファの戦略も必要であることは言うまでもない。